• 左: ©モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道 / 右: ©南海電気鉄道株式会社)
  • (©モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道)
  • (©南海電気鉄道株式会社)

南海電気鉄道株式会社 ― モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道(2017年)

関西地方 | 大阪市

高野山からレマン湖まで、スイスと日本の鉄道における友好関係を祝して

日本の鉄道をスイスへ

高野山行き特急 (©南海電気鉄道株式会社)

1884年に設立された南海電気鉄道株式会社は、大阪の難波から和歌山市までを結ぶ南海本線、ユネスコの世界文化遺産に登録されている高野山までを結ぶ高野線、関西空港までを結ぶ空港線などの主要路線から成り立っています。2017年には、約2億3千8百万人の乗客が利用し、関西地方のみならず世界中から大阪へ来られるお客さまに欠かせない交通機関となっています。

高野山の中心地、壇上伽藍 (©南海電気鉄道株式会社)

さて、西に9,500kmほど離れたスイスでは、モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道(MOB)が、モントルーとツヴァイジンメンの間の、のどかで緑豊かな谷間を走り抜けています。ただ、その外観はひときわ目を引くに違いありません。なぜでしょうか。

MOB Be 4/4 5002 列車の新しい「南海」デザイン (©Maillard/モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道)

スイスアルプスで漢字を発見

2017年10月24日に大阪で南海電鉄とMOBが姉妹鉄道協定を締結しました。南海電鉄の遠北光彦取締役社長兼CEOとモントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道のジョージ・オベルソン社長は、ジャン=フランソワ・パロ駐日スイス大使立ち合いのもと、この新たなパートナーシップにかける熱意を表明し、相互の観光促進や技術交流などの分野において、両社の更なる協力が進むことが大いに期待されます。

2017年10月24日:大阪で姉妹協定に署名 (©モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道)

2018年8月:モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道に乗る南海電鉄の遠北光彦取締役社長兼CEOと節子・クロソフスカ・ド・ローラ氏 (©在日スイス大使館)

1年後の2018年7月に、MOB Be 4/4 5002の車両には、姉妹鉄道協定一周年を記念し、桜など和をモチーフとした絵柄と南海電鉄の社名が描かれました。同年8月のモントルーでの姉妹鉄道協定イベントに出席するためにスイスを訪れた遠北社長も、ジョージ・オベルソン社長とともにこの電車に乗車しました。また、難波駅の大型液晶ビジョンや車両内のポスターは、MOBやスイスアルプスの美しい景観を写し出し、関西地域の人々をスイスにいざなっています。

MOB Be 4/4 5002 「南海」特別列車 (©Maillard/モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道)

南海電鉄の利用者も姉妹提携のしるしに気づくかもしれません (©南海電気鉄道株式会社)

MOB:あらゆるお客様を満足させる鉄道

スイス最古の鉄道の一つであるMOBは、レマン湖とベルナーアルプスの間の観光客の増加に呼応するかたちで、20世紀初めにモントルーのホテル経営者によって作られました。当時、高度経済成長の真っただ中であった欧州は環境汚染が激しく、人々は澄んだ空気と元来の自然を求めてスイスにやってきました。今日においては、ゴールデンパス・ラインに加盟している会社との連携により、65kmの主要路線は、ルツェルンやインターラーケンともつながり、毎年400万人の乗客を運んでいます。MOBは、鉄道・バス・湖船を組み合わせてスイスの各地を巡ることができる旅「スイス・グランドトレインツアー」にも組み込まれています。

(©モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道)

しかし、様々な体験ができるという点こそ、この鉄道の真骨頂です。古き良き鉄道全盛時代を懐古するのであれば、ゴールデンパス・クラシックラインのベル・エポックの車両で豪奢な雰囲気を楽しむのはいかがでしょうか。より景観を楽しみたいのであれば、ロッシェ・ド・ネの山々がはっきりと臨めるロッシェ・ド・ネ線もおすすめです。パノラマ車両は、MOBの長年のノウハウや技術を生かして、乗客に快適な旅を提供します。最後に、スイスアルプスのフレッシュミルクを使ったミルクチョコレートや有名なグリュイエールチーズを堪能できるチョコレート・トレインもどうぞお忘れなく。出発進行!

モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道のモントルー - ロッシェ・ド・ネ線 (©モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道)

モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道のチョコレート・トレイン (©モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道)

モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道のクラシック・トレイン (©モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道)