• 左: 上田城 (©上田市) / 右: スイスのダヴォス (©ダヴォス・クロスタース観光局 / Stefan Schlumpf)
  • ダヴォスのパノラマ (©ダヴォス・クロスタース観光局 / Marcel Giger)
  • 菅平高原スキーリゾート (©上田市)

上田市 ― ダヴォス(1976年)

中部地方 | 上田市

「日本のダヴォス」とスイスアルプスにある相手との会議は長年の懸案でした。

刀からスキーまで

戦国武将の真田一族が拠点とし、歴史ある別所、鹿教湯等の温泉地を擁し、ニンニク風味の美味だれ焼き鳥のレシピが生まれた上田市は、スキー愛好家なら必ず訪れてみたい雪深い山々に囲まれた、とても魅力的な長野県東部の都市です。そしてまさしくスキーがあったからこそ、スイスが上田市の歴史の一部となったのです。日本では昭和初期からウインタースポーツの人気が高まり、上信越高原国立公園のスノーリゾート、菅平高原が全国的な人気を得ました。その評判が高まり、この地域はすぐに「日本のダヴォス」というニックネームで呼ばれるようになりました。

菅平高原の夏 (©上田市)

菅平高原でウインタースポーツ (©上田市)

嬉しい類似点

毎年1月に世界中の有力な国家元首やビジネス関係者が集まる世界経済フォーラムのおかげで、ダヴォスは世界的に重要な拠点となっていますが、それ以前から、ヨーロッパ有数のウインタースポーツを楽しめる場所として、また健康リゾートとして知られていました。ハイジの冒険の背景となったグラウビュンデン州の標高1,560メートルに位置する都市ダヴォスは、20世紀初頭にはスピードスケート選手やスキーヤーにとっての基盤となり、2000年頃からは世界に有名なリゾートになりました。

ダヴォス湖 (©ダヴォス・クロスタース観光局 / Marcel Giger)

今日ではダヴォスは近隣の町クロスターズと共に、スイスと日本の人々に楽しんでもらえるよう、見事な高山風景の中で展開する幅広いウインタースポーツのアクティビティーや夏のハイキングコースを提供しています。また、この地域には世界に名だたるレーティッシュ鉄道が通っているので、とてもスイスらしい風景を見ることができます。

ダヴォス・コングレスセンター (©ダヴォス・クロスタース観光局 / Stefan Schlumpf)

ダヴォスでウインタースポーツ (©ダヴォス・クロスタース観光局 / Stefan Schlumpf)

姉妹都市への道

上田市と合併する前の旧真田町の宮島静男町長は、菅平高原スキー場開設50周年を記念して、1976年にダヴォス市に対して姉妹都市提携を提案しました。はるばるグラウビュンデン州まで旅をした町長は、3月25日にダヴォス町役場の古い木造庁舎でクリスチャン・ヨースト町長と会い、両者は日本・スイス間の友情と理解に資する偉大な物語の新たな始まりに署名しました。姉妹提携を記念して、お互いに1平方メートルの土地を交換し合うことが提案され、スイスとダヴォスの旗をつけた「ダボスの塔」という堂々たる緑色のモニュメントが菅平高原の丘に設置されました。

1976年: ダヴォスで姉妹提携に署名 (©上田市)

上田市にある「ダヴォスの塔」 (©上田市)

クロスカントリー:国を渡って

真田町は2006年に上田市と合併しましたが、姉妹都市交流は続いています。何十人もの訪問団がスイスと日本の間を定期的に行き来しています。最近では、2016年10月にタアジシウス・カヴィエゼル町長とジャン=フランソワ・パロ駐日スイス大使が上田市の母袋創一市長から姉妹提携40周年記念式典に招待されました。

菅平スカイライントレイルランレース (©上田市)

2008年にはスカイライントレイル菅平とスイスアルパイン・ダボスマラソン(78.5km。世界最長で最も壮大な超山岳コース)が姉妹レース協定を結び、両自治体の絆はさらに緊密になりました。協定では、「日本のダヴォス」と「スイスの上田」の特別な関係のしるしとして、世界的に有名なお互いのレースにそれぞれの勝者を参加させ合うことを誓っています。