• 左: 箱根の芦ノ湖と富士山 (©箱根町) / 右: サンモリッツのシルバプラナ城
  • サンモリッツでのスタンドアップパドルボード(SUP) (©サンモリッツ観光局 / F. Zuan)
  • 大観山展望台からの眺め (©箱根町)

箱根町 ― サン・モリッツ(2014年)

関東地方 | 箱根町

姉妹提携から35年後、スイスで最も有名なスキーリゾートが加わって、箱根町とグラウビュンデンの関係は次の段階に進みました。

箱根でハイジを感じて

大観山展望台からの富士山と箱根町の眺め (©箱根町)

箱根町は、日本の首都から約100キロ南西にある富士箱根伊豆国立公園の一部です。温泉、自然環境、芦ノ湖越しに見る富士山の息をのむような姿でよく知られている山間の町は、東京の喧騒を逃れたい国内外の旅行者に最も人気のある旅行先の一つです。毎年多くの旅行者が利用する鉄道を運営している会社こそ、過去数十年間にわたってスイスと交流を続けている箱根登山鉄道です。

福住楼 (©箱根町)

箱根神社 (©箱根町)

桜の時期の箱根登山鉄道 (©箱根町)

1888年創業の箱根登山鉄道は日本最古の山岳鉄道路線を所有・管理しています。箱根登山鉄道はスピードや便利さより視覚体験や快適さを優先することによって、新幹線が走る土地で旅への異なる取り組み方を提供しています。この理念のおかげで、同様の有名なスイスの相手先と交流することになったのです。それは、「ハイジのふるさと」グラウビュンデン州で営業するレーティッシュ鉄道でした。

箱根登山鉄道とレーティッシュ鉄道は1979年から姉妹鉄道です (©スイス外務省)

1979年、互いにビジネスの発展を促進し、経験を分かち合うため、二つの鉄道会社は姉妹鉄道協定に調印しました。時が流れるにつれて、箱根町と、ベルニナ線の端にあるサン・モリッツという小さな町の間に強い絆が生まれました。

スイスで最も有益な賭け

バドルットのパレスホテル (©サンモリッツ観光局 / G. Giovanoli)

スイス東部の峰々に囲まれ、標高1,856メートルに位置するサン・モリッツは、年間300日以上太陽を見ることのできる小さなかわいい町です。かつては療養泉と温暖な気候を求める巡礼者に人気の旅行先でしたが、ホテル経営者ヨハネス・バドルットと英国からの裕福な夏期旅行者が簡単な賭けをしたおかげで、最高級のスキーリゾートとして国際的な名声を博すことになったのです。

サンモリッツでのスケルトン競技、 1914年 (©サンモリッツ観光局 / M. Weintraub)

1864年9月、バドルットは4人の客にこう約束しました。皆さんが冬にまたいらしても、ホテルのテラスでシャツ姿でエンガディン地方の温暖な太陽を楽しむことができますよ、もしそうでなかったら、私が皆さんの旅費をお支払いします、と。もちろん英国人たちはクリスマスに再訪し、彼らが日焼けし、くつろぎ、満足して帰国したのはイースターの時期でした。口伝えで評判が広まったおかげでこの地は大人気となり、それが実質的にヨーロッパ・アルプスの冬の観光業の始まりとなりました。まもなくサン・モリッツはチャーリー・チャップリンやブリジット・バルドー、ケネディ一族といった有名人や洗練された人々のお気に入りの旅行先になりました。

サンモリッツのシュリッテダ祭 (©サンモリッツ観光局 / F. Zuan)

サンモリッツでのフリーライディング (©サンモリッツ観光局 / G. Giovanoli)

さらに、サン・モリッツは驚くべき開拓者精神を発揮してウインタースポーツの流行の最先端を走り、現在では当たり前と思われているような施設や大会(2月のホワイトターフ(雪上競馬大会)など)を開いています。サン・モリッツが冬季オリンピック大会の開催地に2度選ばれているのも納得できます(1928年と1948年)。現在でも、多くの人々にとってサン・モリッツと言えばウインタースポーツなのです。

時宜を得た提携

2014年11月2日:両町が友好都市提携 (©箱根町)

2014年11月2日、日本・スイス国交樹立150周年と鉄道会社2社の姉妹提携35周年を記念して、箱根町とサン・モリッツは湯本富士屋ホテルで友好都市提携に署名しました。姉妹提携としなかったのは、サン・モリッツが既に倶知安町と正式に姉妹提携していることが理由でした。

式典での記念品交換 (©箱根町)

玉川アルプホルンクラブによるスイス音楽が出席者を楽しませました (©箱根町)

それでも、この提携のおかげで、新しくパートナーとなった両自治体の企業や観光振興組織はより自由に相互交流を進められるようになりました。美しい漆塗りの木箱と木製の盾を交換した後、山口昇士町長とスージー・ヴィプレヒティガー副村長、ならびに両自治体の関係者は、この提携は今後続く交流の第一歩にすぎないこと、そして新たな提携が両地域の魅力向上にすぐに貢献してくれるであろうことを確信しました。

地元の祭りに参加したサンモリッツ関係者たち (©箱根町)