- 大分県大分市 (©大分市)
大分市(2021年ホストタウン)
九州・沖縄地方 | 大分市
2020年東京オリンピック・パラリンピック
2021年東京パラリンピック競技大会に向けて、車いすの選手たちはどのようにして九州の都市とスイスを結びつけたのでしょうか
温泉と車いすレース
ほとんどの旅行者にとって、大分市は湯気を上げる温泉、魅力あふれる景勝地、そしてジューシーな鶏の天ぷら「とり天」と同義語でしょう。九州の北東部にある有名な別府の地獄から数キロ離れた大分市は、実は天国そのものです。
一方、スポーツ愛好家にとって、ここには年に一度の見逃せない別の見どころがあります。それが大分国際車いすマラソンです。1981年に始まった大会には男女とも何百人もの外国人選手が毎年参加し、車いすマラソンでは世界最高レベルのレースの一つとされています。スイスが市の現代史の1ページに加わることになったのもこのためです。
スポーツは国と国をつなぐ
1990年代初頭から、スイスはこの大会の表彰台をほぼ確実に独占してきました。大分国際車いすマラソンの過去37回の大会中、スイス人でパラリンピック・メダリストのハインツ・フライ(14勝)とマルセル・フグ(7勝)が二人合わせて21回もの優勝を飾っています。両選手は世界最高の車いすスポーツ選手とされているため、母国で高い人気と支持を得ています。彼らの度重なる勝利と大分市民のユニークなおもてなしがスイス人選手と地元のスポーツ愛好家との数々の友情の出発点となり、やがて2018年4月に、大分市は2021年ホストタウン事業でスイスとチームを組むことになりました。
この発表の直後、5月19日にジャン=フランソワ・パロ駐日スイス大使とピーター・ネルソン公使が大分県の広瀬勝貞知事、大分市の佐藤樹一郎市長ら関係者に会ってお祝いを述べました。また、日本スイス友好議員連盟会長であり、大分出身の衛藤征士郎衆議院議員の出席の下、新たなパートナーとその友人たちは輝かしい未来に乾杯して訪問を終えました。
スイスが町にやってくる
2021年東京オリンピック・パラリンピック競技大会以前から大会期間中にかけて、東京以外の住民と諸外国、来日するオリンピックチームの間で教育ならびにスポーツ面の交流を促進することを目指して、日本政府は2016年にホストタウン事業を立ち上げました。
事前キャンプ、ショーケース、講演、ワークショップ、フェスティバルが大分市全域で開催され、スイス人選手と地元住民が出会い、交流し、2021年以降も続く新しい絆を生み出すユニークな機会を提供します。同様のイベントは日本国内の他の4か所、京都府大山崎町、福島市、富士市、つくば市でも同時期に開催されます。この特別なパートナーシップのおかげで、スイスと日本の友情は一層の活力と創造力を伴って2021年以降の時代を迎えます。